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アレジオンLX点眼液0.1%が、後発医薬品調剤体制加算に少なからず影響を及ぼす理由

2021年6月24日

Teraryo

現役薬剤師5年(認定薬剤師取得)
筋肉専門薬剤師として、正しいボディメイクの知識を広めるため情報発信をしています。
皮膚科門前薬局4年間の経験と大学研究室での経皮吸収の研究の経験を生かし、美肌・肌の悩みを解決します。 多汗症専門薬剤師としてあせっかき・多汗症の悩みを解決します。
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2021年6月18日付で、アレジオンLX点眼液0.1%が、後発医薬品調剤体制加算の分母に含まれるとの情報がありました。

 

後発医薬品 薬価基準追補収載一覧(2021年6月18日)によると、サインバルタやルネスタなどの後発医薬品が新たに収載され、新規で採用する薬局も多いかと思われます。

 

その中でも今回は、アレジオン点眼液0.05%のジェネリック医薬品である「エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%」が新たに収載されたことによる影響を簡単に解説します。

 

アレジオンLX点眼液0.1%が後発医薬品の存在する先発医薬品へ変更されることによる弊害

そもそもなぜアレジオンLX点眼液0.1%が後発医薬品調剤体制加算の分母になるの?

以前から販売されていたアレジオン点眼液0.05%の後発医薬品であるエピナスチン塩酸塩点眼液0.05%が薬価基準に収載されたことから、それに伴いアレジオンLX点眼液0.1%が『後発医薬品の存在する先発医薬品』へと扱いが変わります。

 

Ryosuke
いや、アレジオンLX点眼液0.1%って、まだ後発医薬品出てないじゃん!

 

と思うかもしれませんが、ここで厚生労働省の薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報についてを見てみましょう。

 

5.その他(各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報)

 各先発医薬品における後発医薬品の有無及び後発医薬品について、1:後発医薬品がない先発医薬品(後発医薬品の上市前の先発医薬品等)、2:後発医薬品がある先発医薬品(先発医薬品と後発医薬品で剤形や規格が同一でない場合等を含む。ただし、全ての後発医薬品が経過措置として使用期限を定められている場合を除きます。後発医薬品と同額又は薬価が低いものについては、「☆」印を付しています。)と3:後発医薬品(先発医薬品と同額又は薬価が高いものについては、「★」印を付しています。)として分類しています。なお、昭和42年以前に承認・薬価収載された医薬品及び令和2年度薬価基準改定における「基礎的医薬品」の対象成分については、「各先発医薬品の後発医薬品の有無に関する情報」は空欄となっています。
 「後発医薬品のさらなる使用促進のためのロードマップ」(厚生労働省平成25年4月5日)に基づく後発医薬品の数量シェア(置換え率)※における『後発医薬品のある先発医薬品』が2で分類される品目であり、『後発医薬品』が3で分類される品目であるため、置換え率を算出する際には、こちらの情報をご活用ください。

※後発医薬品の数量シェア(置換え率)=〔後発医薬品の数量〕/(〔後発医薬品のある先発医薬品の数量〕+〔後発医薬品の数量〕)
                 =〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕/(〔2で分類される品目の数量(☆を除く)〕+〔3で分類される品目の数量(★を除く)〕)

これの2に注目してください。

 

2:後発医薬品がある先発医薬品(先発医薬品と後発医薬品で剤形や規格が同一でない場合等を含む。・・・)

つまりアレジオンLX点眼液は、『先発医薬品(アレジオンLX点眼液0.1%)と後発医薬品(エピナスチン点眼液0.05%)で剤形(は同じ)や規格(0.1%と0.05%で違う)が同一でない(その通り)場合を含む(から、エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%はアレジオンLX点眼液0.1%の後発医薬品とみなすよ)。』という解釈になります。

 

おおざっぱに言うと、『アレジオンLX点眼液0.01%は、エピナスチン塩酸塩点眼液0.05%っていう、規格が違うけど、後発品があるんだから、後発医薬品がある先発医薬品になるよ』ということです。

 

なんて理不尽。

 

アレジオンLX点眼液0.1%が処方されるたびに後発医薬品調剤率が下がる

アレジオンLX点眼液0.1%が後発医薬品の存在する先発医薬品に変更されることによって、アレジオンLX点眼液0.1%が処方されるたびに後発医薬品調剤率が下がります。

 

アレジオンLX点眼液0.1%が分母に加えられることになりますが、決して分子に数字が行くことはありません。

 

処方箋の記載ではおそらく、『アレジオンLX点眼液0.1%』か『エピナスチン塩酸塩点眼液0.1%』(病院ごとに記載が異なります)となりますが、そもそもLX点眼液の後発医薬品がないので、必然的に、先発医薬品であるアレジオンLX点眼液0.1%を調剤することになります。

これによって、薬局は無抵抗に後発医薬品調剤率が低下することになります。

 

特に、花粉シーズンの眼科門前や耳鼻咽喉科は少なからず打撃があると考えられます。

 

まとめ

以上、アレジオンLX点眼液0.1%が後発医薬品のある先発医薬品へとクラスが変更された理由と、それによる弊害を解説しました。

 

アレジオンLX点眼液0.1%は、価格が高く、患者からも会計時に驚きの声を聞きます。アレジオン点眼液0.05%のジェネリック医薬品の登場により、その負担が少しでも減ればいいと思いますが、1日2回の点眼で良いという利点から、アレジオンLX点眼液0.1%の使用量は減らないかもしれません。

 

薬局側からしても、後発医薬品調剤率の低下は、薬局経営に響いてくるので、ぜひ早くLXの方の後発医薬品の登場を願うばかりです。

 

新しい情報が公開されたら、追加・訂正します。

参考【薬剤師監修】クロモグリク酸Na点鼻液2%の使用可能日数を計算しました

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