こんにちは、筋トレに人生を捧げる薬剤師のRyosukeです。
2021年6月21日の日本テレビ系『ヒルナンデス!』で放送され話題になった舞茸ダイエット。
監修したのが日比野医師ということで、かなり信頼性のある情報ではないかと思います。
日比野医師は医療法人康梓会ワイズサイエンスクリニック広尾統括院長を務め、上のような書籍も出すような権威のある方です。
今回は、舞茸がなぜダイエットに効果があるのか、薬剤師の視点から解説したいと思います。
舞茸の栄養成分
舞茸には、ビタミン類、ミネラル、食物繊維といった栄養素が豊富に含まれています。
特に亜鉛、ナイアシン、ビタミンDの比率が高いです。
<舞茸に含まれる栄養素一覧>
炭水化物 | 食物繊維、デンプン |
脂肪 | 飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸 |
タンパク質 | ー |
ビタミン類 | VB1、VB2、VB3、VB5、VB6、VB9、ビタミンD |
ミネラル | カリウム、マグネシウム、リン、鉄、亜鉛、銅、セレン |
これに加えて、水分、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、ビオチンが含まれます。
香り、味ともに良く、さらに栄養素まで充実している舞茸は、まさにダイエットにうってつけの食材です。
次の項では、特に舞茸がダイエットに効果的と言われる理由となる栄養素を紹介したいと思います。
舞茸に含まれるダイエットに有効な成分
多糖類βグルカン(MXフラクション)
ひとつめは、多糖類βグルカン、通称MXフラクションという成分です。
ちなみに、MXフラクションの『M』は『まいたけ』の『M』です。
この成分は舞茸のみに含まれており、他のきのこでは発見されていません。
MXフラクションには2つの効果があるといわれており、
- 血糖上昇を抑制し、身体に脂肪を付きにくくする
- コレステロール値を下げ、身体に溜まった脂肪を排出する
これらの効果が認められています。
1.血糖上昇を抑制し、身体に脂肪を付きにくくする
MXフラクションは、αグルコシダーゼ様の効果があるといわれています。
ポイント
αグルコシダーゼとは、簡単にいうと、腸で食事中の糖分を分解し、身体の中に吸収しやすくするための酵素です。
食事中の糖分はそのままでは吸収できず、αグルコシダーゼによって細かい部品へと分解する必要があります。
つまり、αグルコシダーゼが活動すると、糖分が吸収され、一部は活動のエネルギーに使われますが、余った糖分は最終的に体脂肪となってしまいます。
MXフラクションは、このαグルコシダーゼの働きを弱め、糖分を吸収しにくくなり、結果として体脂肪になる糖分を少なくできるのです。
2.コレステロール値を下げ、身体に溜まった脂肪を排出する
MXフラクションは、コレステロールから作られる胆汁酸と結合し、そのまま体外に排出する効果があります。
コレステロールは体脂肪が分解してできたものであり、コレステロールをどんどん身体から出せば、その分体脂肪も減っていきます。
コレステロールの分解は肝臓で行われており、肝臓が元気でいることが重要です。
MDフラクション
MDフラクションは、免疫力をアップさせる効果があります。
特にダイエット中は食事制限で、身体に必要な栄養素が不足し免疫力が下がりやすいです。
舞茸を食べ、MDフラクションを摂ることで免疫力アップが期待できるので、ぜひ取り入れましょう。
ビタミン類
舞茸に含まれるビタミンB1とビタミンB2は、どちらも脂質の代謝に欠かせない成分です。
ビタミンB1、ビタミンB2ともに人間の身体では合成できず、食事から摂ることでしか摂取できないので、毎日摂取する必要があります。
糖質の代謝にも関わり、不足すると脂肪を溜め込みやすい身体になってしますため、毎日まいたけを摂ることができないのなら、サプリメントで補いましょう。
食物繊維
食物繊維をとることにより、便秘の解消、それに加えて腸内環境の改善にも役立ちます。
便秘になると、必要な栄養素を吸収することができず、ビタミンのような脂肪を代謝するための栄養も吸収されづらくなるため、なるべくならすぐに解消したいところです。
キノコキトサン
キノコに含まれる複合食物繊維です。植物性キトサン、グルカン、複合糖質からできています。
キノコキトサンは脂質の吸収を抑制するはたらきがあります。
おすすめの食べ方
生食は絶対にNGです。
食中毒になったり、タンパク質分解酵素が粘液を刺激して、喉や食道がイガイガします。
必ず火を通して調理しましょう。
炒めもの
炒めると、まいたけの香ばしさが発揮されるので、すごく美味しくいただける食べ方になります。
ただ、炒める際に油を使うとカロリーがかさんでしまうので、できれば油をひかないで調理する方がカロリーが抑えられるのでおすすめです。
まいたけに含まれる、『舞茸プロテアーゼ』というタンパク質分解酵素は、お肉を柔らかくしてくれるので、 細かく刻んだ舞茸を肉にまぶしてから調理すると、例えばパサパサな鳥むね肉も心持ち柔らかくなるのでぜひ試してみてください。
鍋料理
個人的におすすめなのは、茹でる調理法です。
舞茸に含まれるビタミン類は水溶性で水に溶けるため、水洗いや、炒めて水分を飛ばすと、せっかくのビタミンを逃してしまいます。
茹でると、炒めるよりビタミン類が流れ出ず、またスープに溶け込むため無駄なく摂取することができるのでおすすめです。
まとめ
まいたけは、ダイエットに効果的な食品です。
含まれる成分の中でも、特にMXフラクションやビタミンは体脂肪を付きにくくしたり、分解するはたらきを持っているため、可能な限り摂取したい成分。
MXフラクションはサプリメントとしても販売されているため、サプリメントを活用するのもアリかと思います。
なるべく費用を抑えたいという方には、サプリメントで摂ることをおすすめします。
私は、ビタミンや、筋トレに欠かせないカルニチンという成分を摂るときは、きちんと必要な量が入っている方がいいので、どちらもサプリメントで摂取しています。
ただ、舞茸も美味しいので、選択肢のひとつとして覚えておいてもらえればと思います。