こんにちは、薬剤師のRyosukeです。
今回は、生化学・栄養学・薬理学・機能生態学を学び、人生を筋トレに費やしている薬剤師である私だからこそ辿り着いた、新理論のプロテインの飲み方を紹介します。
今から紹介するプロテインの飲み方は、プロテインの吸収の最高効率を考慮した飲み方となっています。
結論から言うと、
朝:1杯 トレーニング前:1/2杯 トレーニング後:1/2杯 寝る前:1杯
この配分が一番効率的にタンパク質を摂取できるのではないかと提案します。
その理由を薬剤師である私が、詳しく解説します。
プロテインを朝に飲む理由
朝にプロテインを摂る理由は、朝は副交換神経が優勢で、栄養素の吸収が良い時間帯なので、ここでタンパク質1日量の 1/3 を摂ります。
タンパク質の1日量の求め方
体重(kg)× 2 = 1日のタンパク質目安摂取量(g)
朝にプロテインを摂ることによって、タンパク質を効率的に摂取することができます。
また、食事誘発性熱産生によって代謝効率も上がるため、通勤・通学に伴う運動による脂肪燃焼効果を高めてくれるという嬉しい副産物があります。
食事誘発性熱産生とは?
食事誘発性熱産生 / DIT(しょくじゆうはつせいねつさんせい) 食事をした後、安静にしていても代謝量が増大すること。 食事を摂ると体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されます。 このため食事をした後は、安静にしていても代謝量が増えます。
プロテインを寝る前に飲む理由
寝る前にプロテインを摂る理由は2つあります。
ひとつめは、朝と同じで副交感神経が優勢になっているため。
寝る前にプロテインを摂るもうひとつの理由は、寝ているときに体を動かさないことによって、腸に血液が集中し、タンパク質の消化効率が向上することです。
朝や昼など体を動かす時間帯だと、脳や手足など末梢に血液が回ってしまうため、タンパク質の吸収効率が落ちます。
そこで寝る前にプロテインを摂ることによって、タンパク質の吸収効率を最大化します。
これらふたつの効果により、寝る前にプロテインを飲むことが推奨されています。
プロテインをトレーニング前後に分けて飲む理由
プロテインは、一般的に『トレーニング後のゴールデンタイムに飲む』と言われています。
しかし、この理論には欠点があると考えています。
ゴールデンタイムに飲むことの欠点
- トレ後は交感神経が優勢のため、摂取したタンパク質を吸収しづらい
- トレーニング中〜トレーニング後数十分間、血液中に筋肉のもととなるアミノ酸が充分量存在しない
トレ後は交感神経が優勢のため、摂取したタンパク質を吸収しづらい
先程の朝・寝る前と同じく交感神経・副交感神経の話。
タンパク質の吸収は副交感神経下で促進されるため、副交感神経が優勢となる朝と寝る前に飲むと非常に効果的です。
逆に、交感神経が優勢になると消化管のはたらきが弱まり、タンパク質の吸収が悪くなります。
筋トレをすると、交感神経が活発になるため、トレーニン語に飲むプロテインの吸収効率が悪くなり、無駄になってしまいます。
トレーニング中〜トレーニング後数十分間、血液中に筋肉のもととなるアミノ酸が充分量存在しない
一般的にトレーニング後から『ゴールデンタイム』と言われていますが、本当でしょうか。
筋トレを開始して筋肉が破壊されると、同時に修復が始まります。
修復の際、プロテイン(アミノ酸)が必要になりますが、事前に摂らない限り血中に筋肉のもととなるアミノ酸が存在しないため、筋肉の合成が進みません。
結果を踏まえて、トレーニング前後にプロテインを飲む理由
まずトレーニング前後に分けて飲む理由は、トレーニング前またはトレーニング開始時に飲むと、トレーニング中に吐き気を催すことがあるためです。
このため、1回量を減らすことによって、胃腸への負担を減らし、なおかつトレーニング中の血中アミノ酸濃度を高めておこうという目的があります。
また、トレーニング後にも1/2量を摂取することで、1.本来の必要なアミノ酸量を確保すること、2.交感神経が高まり胃腸のはたらきが弱まっているため、負担を減らす利点があります。
この飲み方であれば、ゴールデンタイムも筋トレ中の筋肉修復も逃さずに、より大きな筋肉へと育てることができます。
まとめ
結論
朝:1杯 トレーニング前:1/2杯 トレーニング後:1/2杯 寝る前:1杯
『【2021年決定版】プロテインの最適な摂取タイミングはいつ?【新理論 1−1/2×2−1 法】』と題して、生理学的な観点から、新たなプロテインの飲み方を解説しました。
交感神経や副交感神経のはたらきを理解することで、効率的なタンパク質摂取ができます。
ゴールデンタイムだからと妄信的になるのではなく、この新たな方法を試してみてはいかがでしょうか。