この記事で分かること
- 地域支援体制加算算定要件のプレアボイド報告の報告先が分かる
- 具体的な申請内容が分かる
こんにちは、薬剤師の寺田りょーすけです。
『地域支援体制加算の要件としてプレアボイド報告が必要って知ってるけど、具体的にはどこに報告すればいいの!?』
『プレアボイド報告の報告方法を詳しく教えてほしい!!』
地域支援体制加算の算定要件として挙げられている、プレアボイド報告。
これから取得を目指している方や薬局にとっては、ひとつの山場の算定要件だと思いますが、登録・申請先や申請方法を知っておけば、誰でも簡単に達成できます。
この記事では、地域支援体制加算の算定要件であるプレアボイド報告の報告方法について簡潔に解説します。
実際に申請し、地域支援体制加算を算定した経験を基にした記事ですので、ぜひ参考にしてください。
プレアボイド報告は、調剤基本料によらない共通の施設基準
プレアボイド報告の実績は、地域支援体制加算を算定しようとする全ての薬局が達成すべき要件ということです。
「地域支援体制加算1に関する施設基準」のプレアボイド報告に関する記述は、以下のようになっています。
参考
「薬局機能に関する情報の報告及び公表にあたっての留意点について」(平成29 年10 月6日付け薬食総発第1006 第1号)に基づき、薬局機能情報提供制度において、「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」を「有」として直近一年以内に都道府県に報告していること。
要は、申請する前年12/31までにプレアボイド報告をして、地域支援体制加算の施設基準に係る届出書添付書類にその写しを添付して提出してね!ってことです。
- 前年1年間(1月1日から12月31日)に、疑義照会により処方変更がなされた結果、患者の健康被害や医師の意図した薬効が得られないことを防止するに至った事例を提供した実績がある
- 薬局機能情報提供制度において「プレアボイド事例の把握・収集に関する取組の有無」を「有」としている
「じゃあ、その事例の提供先ってどこじゃい!」ってことでつまづいていると思います。
それは次の章で解説します。
プレアボイド事例の報告先はどこ?
結論:
公益財団法人日本医療機能評価機構の薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業から参加登録、その後事例報告・ログインのリンクから申請します。
注意ポイント
登録申請〜本登録完了〜事例報告まで時間がかかるので、登録がまだの方は今すぐに申請を行うことをおすすめします。
PCサイトから参加登録→印刷した申請書に必要事項記入→事務局に郵送→承認→初期パスワード記載のメールが届く
という流れで、今すぐに登録完了という訳にはいきません。
参加登録〜事例報告までの流れは、上記画像の参加の手引きからも確認できますが、一応ここでも引用という形で紹介したいと思います。
*現在、登録はパソコンからのみとなっているようです
1.仮登録の手続き
1)ホームページにある「参加登録」ボタンをクリックします。
2)「薬局情報仮登録」の入力画面が表示されます。
3)“店舗”ごとの基本情報を各項目に沿って入力します。
※法人(企業)単位では出来ませんので、店舗単位の情報を入力して下さい。
※入力の仕方については、「入力ガイド」を参考にして下さい。
4)すべての項目が入力完了しましたら、画面下にある「申請」ボタンをクリックします。
「薬局情報仮登録(結果)」の画面になりましたら、「申請書PDFダウンロード」ボタンをクリックして、「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 参加登録申請書」を印刷して下さい。
5)「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業 参加登録申請書」に薬局名、薬局開設者氏名の記入をしていただき、事務局までご郵送下さい。
※ 「申請書控え」には利用者ID(ユーザID)が記載されていますので、大切に保管して下さい。
6)後程事務局より「初期パスワード」(半角数字12桁)が記載された「仮登録のお知らせ」のメールが届きます。
2.本登録の手続き
1)申請書が事務局に到着し、内容確認後手続きが完了しましたら、「登録完了のお知らせ」のメールが届きます。この時点で本登録となります。
2)初期パスワードを変更して下さい。
① ホームページにある「事例報告ログイン」ボタンをクリックします。
②「ユーザID」及び「初期パスワード」(半角数字12桁)を入力し、
「ログイン」ボタンをクリックします。
③ログイン後、パスワードを変更します。
「初期パスワード」(半角数字12桁)及び「新パスワード」(薬局にて新たに決めていただくパスワード:半角英数記号8文字以上12桁以内)を入力後、「確認」ボタンをクリックし、次画面で「登録」ボタンをクリックします。以上で事例報告が可能となります。
ポイント
詳しくは、参加登録方法についてでもPDF方式で実際の操作画面を例に確認できるようです。
他の報告方法ではダメなの?
プレアボイド報告の報告方法にはいくつか種類があります。
色々調べた方の中には、公益財団法人日本医療機能評価機構以外の報告方法について調べた方も多いと思います。
具体的には、以下の2パターンです。
2つの方法があり、どちらか1つを満たすことで実績になります。
なお、地域支援体制加算の施設基準の共通の用件として、
- プレアボイド事例の報告を1例以上おこなう。(共通)
- 2022年1月にある薬局機能情報提供制度の定例報告で「プレアボイド事例の把握・収集も関する取組」を「有」にする。(共通)
これを満たしかつ、以下の方法で報告したプレアボイド報告の記録の写しが必要となります。
1.「薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業」に参加する
公益財団法人日本医療機能評価機構での参加登録が必要。
この方法は、日本薬剤師会や独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)も推奨している方法です。
「薬局ヒヤリ・ハット事業収集・分析事業」は公益財団法人日本医療機能評価機構の事業のひとつです。
確実な申請方法ですが、事例報告の準備段階として参加登録に時間がかかります。
地域支援体制加算の要件のひとつに、「前年の1/1〜12/31の間に最低1件のプレアボイド事例報告」が必要になるため、12月に参加登録しても、もしかしたら間に合わない可能性があります。
なので、お早めの参加登録を推奨します。
2.薬剤師会や薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業以外による事業に参加する
例えばですが、日本病院薬剤師会のHPからプレアボイドのオンライン報告ができます。
ただし、
- 会員登録が必要となること
- 実際に日本病院薬剤師会経由で申請したことがない
ため、あまりおすすめはしません。
まとめ
プレアボイド報告は地域支援体制加算の施設基準のひとつとなっていますが、昨年の実績が必要になるため忘れがちで、思い出したその場ではどうすることもできません。
計画を立てて遂行することを推奨します。
また、プレアボイド事例の報告方法については、やはり公益財団法人日本医療機能評価機構の薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業への報告が安心安全だと思うので、気になる人は早速登録からしてみてください。
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